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こんにちは。私は「子供たちの道は開ける!勉強のコツと
学習計画!」を書いている渡辺かざんです。
ここでは私の20年の指導経験をもとに、子供たちが失敗を
克服しながら、これから進む道を切り開いていけるよう、
いっしょになって考えます。
何かひとつはみなさんの参考になることがあるかもしれません。
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前回、小学校6年生の全国学力テストで2年続けて1位に
なった秋田県。そして全科目でトップの成績がとれた
その秘密のひとつである独自ノートについてふれました。
そこで今日は「学力アップノート」について少しアドバイスを
したいと思います。
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<第132回、学力アップノート術>
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以前、「得意なものにこだわって学習をおこなうときに
必要なことは何でしょう。」
「そのひとつはノートをとることです。」と書いた事があります。
これはノートをとるメリットが学習した知識を言語化すること
により、知識の定着をよくする事にあり、また忘れかけたときに
そのノートを開きみる事で記憶の想起が容易になる事にあるからです。
またノートは反復練習を可能にします。学習だけでなくスポーツの
技能でもノートは効果を発揮します。例えばテニスのフォアハンドの
打点はもう少し前とノートに書いておくと、そのことを忘れかけた
ときそのノートを見ることで思いだします。
たとえ練習のブランクがあっても「以外に前だ。」という事を
思い出し、ストロークの反復練習を可能にしてくれるのです。
学習だって同じです。3年前に習った忘れていたことでも、
ノートを見ることで、そのときの学習した内容をありありと
思い出し、反復練習を可能にしてくれるます。
またノートをとること自体が心理的な自我関与を高めて
くれます。ノートをとること自体、メリットが大きい反面面倒
くさいものです。しかしそのめんどくさい事を続ける事が、
心理的な自我関与を高めるのです。
つまり長くそのことが記憶に残るようになります。
これを意図的に実践しているのが、小学校6年生の全国学力
テストで2年続けて1位になった秋田県の小学校なのかもしれません。
全科目でトップの成績がとれたその秘密のひとつである
独自ノートとは
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◆学ぶ目的を示す板書(独自ノート)
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授業で最も目を引く板書。黒板の上には赤線が引かれ、それに
対応するように、子どもたちが開いたノートの見開きページにも
赤線が引かれています。
赤線の上には「めあて」と「まとめ」を書き、下段は「まとめ」
に至るまでの考え方を書き込むスペースになっています。
もうひとつ非常に代表的なプレゼン(発表)のテクニックで
「PREP法」と言うのをご紹介します。これは授業中に先生が
話している内容には、一定のパターンがあるということです。
人は何かを説明するとき、ある順番にそって話を広げていきます。
その順にノートに書きとめていくと重要ポイントをもれなく
書き留める事ができます。
その順番とは
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◆ 「PREP法」の4つの段階
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1、 要点(Point)
2、 理由(Reason)
3、 具体例(Example)
4、 結論(Point)
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例えば先生が三角形の面積の公式について話すとします。
「三角形の面積=底辺×高さ÷2になります。(要点)」
「この公式は平行四辺形の面積から求められます。(理由)」
「それでは、具体的にこの公式を使って問題を解いてみよう。
(具体例)」
「という事で今日は三角形の面積=底辺×高さ÷2について
学習しました。(まとめ)」
ふつうこういう流れで授業は進められます。
そこでまずこのパターンを知って、これを自分のノートつくりに
生かすのです。基本的にはこれらの「独自ノート」や「PREP法」の
ようにノートを作成していく事で、見やすくわかりやすいノートを
つくっていきます。
次にノートに書く内容のレイアウト(配置)ですが、後からでも
たっぷり書き込めるように、上下または左右に余分なスペースを
大きく空けておくようにします。
なぜこの余分なスペースが必要なのか。それはノートは何度も
使って書き込んだり、付け加えたりして完成されていくものだからです。
よく先生が板書した内容だけを自分のノートにすきまなくびっしり
移すだけの人がいます。そしてそのノートはそのとき限りで、後から
みられもしない。これではなかなか学力アップにはつながっていきません。
「脳の記憶」の観点からも、記憶を定着させるためには歴史事項・
英単語・漢字などの暗記科目では4回、数学・英語の長文などの
理解科目では3回の反復練習が必要と言われます。
つまりノートは板書の内容を写すだけでなく、ノートを見直すたびに
自分の気づいた事や考えた事を自分の言葉で書きとめていく事が
重要なのです。先生が板書されずに、話された事も、それを自分の
言葉になおしてノートに書き込んでいくのです。
自分の言葉で書くとなぜいいのかというと、それが思い出すときの
手がかりになってくれるからです。「記憶」をはっきり定着させる
ためには「想起」する事も重要です。ある意味、試験とはこの『想起』を
させるためにあるともいえます。
確かに先生が板書されたこと以外のことも、すべてノートに書きとる
となると大変です。一部の人はそんな余裕などないと思うかもしれません。
しかしこのすばやくノートに書き込んでいく事が、実は脳を活性化する
ことにつながるのです。
脳が活性化されると思い出す事の反応が速くなります。今までしばらく
考えて、それではじめて思い出していた数学の公式などが、問題を
みるだけですぐに頭に浮かんでくるようになります。
先日、これに関連した事がありました。、あるテレビの番組で
「150km/時の速球が、わずか2時間の練習だけで誰にでも
打てるようになる。」という事をテーマにして放送されていました。
そしてこのテーマに小学生、中学生、大学生とOLのそれぞれ1名ずつが
チャレンジしたのです。
はじめこの4人全員はあまりの球の速さに10打数すべて空振り
していました。ところが2時間の練習後には全員が3割から7割の
確率で前にヒットできるようになったのです。さてこのときの
練習とはいったい何だったのでしょう。
それは以外にも速読だったのです。わずか2時間の速読練習で、
プロでも打つのが難しい時速150キロの速球が打てるように
なったのです。
これはどういうことかというと、速読練習により脳が活性化し
反応が速くなったのです。
これと同じように、あなた方が先生の板書と同時に、
いろいろな事をすばやくノートに書き込むことで、
あなたの脳は刺激され反応が速くなり、物事を思い出す
スピードがはやまるのです。
それではいったい何を書けばよいのか。ここで書く内容のポイントは
学習した内容の質だけを重視するのではなく、量にもこだわって
ノートをとるようにすればよいのです。
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<ポイント>
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1、 授業中、先生がおっしゃった雑談なども書きまくる。
2、 学習した内容は必ず自分の言葉でまとめなおしてから書くようにする。
3、 覚えにくい言葉は「語ろ合わせ」で書いておくと覚えやすい。
4、 数学などの演習ノートではまちがえたところを消しゴムで消さず、
ミスした記録を残しておく。そうすれば自分の間違いやすいところが、
後になっても気づきやすくなる。
5、 思い出すきっかけとして落書きも大いにありです。
6、 図や表はどんどん書く。全体の5割くらいの割合であっても
よいでしょう。
以上、学力アップにつながるノートの書き方についてアドバイスを
してみました。このようにちょっと工夫すれば、見やすく記憶に
残りやすいノートはつくれます。
しかし見やすいノートをつくっただけでは、まだ学力アップには
つながりません。ノートは何度も見直して、何度も重ねがきをし、
そして何度も復習をおこなう事で、はじめてその効果が発揮されるのです。
この事をぜったいにお忘れなく。
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<編集後記>
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4月に入り、さくらの花が満開になりました。各地でさくら祭りが
おこなわれています。私も今日、さくらの名所を訪れてきました。
今日はちょっと日ざしが弱く、少し寒そうでした。しかしまだ春休みの
ところもあって、子どもずれのグループが満開のさくらの下で楽しそうに
昼食をとっていました。
今週は入学式がおこなわれるところが多く、新しい学校に希望を抱き、
気持ちを新たにしている人達も多いと思います。
4月のこの時期は初頭効果といって、すべての事にやる気が出てくる
時期です。新しい事に積極的にトライしてみたいものです。
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